チケットは早めに購入してありましたが、やはり今回も売り切れたようです。もう明日になってしまいました。行きます。いろいろ忙しいのですが、この授賞式、毎回翻訳(の話)にどっぷりつかれるので、とても楽しいのです。これまで3回、ぜんぶ行ってるので、明日行けば皆勤賞ですね。
授賞式では、西崎さんほかの演奏に合わせての朗読、楽しみです! 下の写真は、昨年、『ポーランドのボクサー』を朗読される松本健二さん。
今回(というか、毎回)、最終選考に残った作品はひとつも読んでなくて、今回もそのまま授賞式を見に行くつもりでしたが、藤井さんの訳された『死体展覧会』の原作者ハサン・ブラーシムがイラク人と知って、昨日あわてて購入。表題作を読みました。
短編集なので、ひとつずつ読んでいこうと思います。しかし、この幻想的というか、よくわからない感じは読解力のないわたしにはつらい。それでも、自分も1年イラクにいた身としては、あの時表層しか見ていなかった反省もこめて、少しずつ読んでいくつもり。
少なくとも、イラクの人たちが、ずーっと戦火の下で、そして長らくフセイン政権の下で、とても苦しい時代を生きてきたし、今も生きていることは、忘れてはいけないと思うので。
あ、この本の編集も、金子ちひろさんだ……。
じつは、数ヶ月前に、FBを通じて、そのイラクで短いあいだだけおつきあいのあった方から連絡をもらい、やりとりしました。わたしはまだ25歳、そのTさんも35歳だったのですが、たしかアラビア湾にとじこめられた船のメンテナンスのお仕事で来られていたTさんが、いよいよ帰国という時にトラブって、わたしが少しお手伝いしたのでした。
いや、そういうことは全部忘れていたのですが、FBでやりとりしているうちに、徐々に記憶がよみがえり、Tさんのフルネームが漢字でよみがえってきて、びっくりしました。記憶というのは不思議なものです。当時、宮崎に帰られたTさんにわたしが差し上げた手紙を、Tさん、今もとっておいてくださって、その文面の写真を送ってくださいました。35年前の自分の文字を見て、うーん、なんというか、うれしいけれど、妙な気持ちになりました。でも悪い気分ではありません。肉筆の手紙は残しておくべきだなあ、と思いました。
ああ、話がどんどんそれていく。
去年は、拙訳『ペーパーボーイ』が最終選考まで残り、とてもうれしかった。今年も何作かヤングアダルト作品が二次選考に残りました。
翻訳大賞をきっかけに、YAもぜひ、たくさんの人に読んでもらいたいです。
(M.H.)