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翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

翻訳勉強会(2−3)

 昨日は翻訳勉強会の日でした。会場の川越の絵本カフェ「イングリッシュブルーベル」さんの前は、ちょうど白いバラ、サマースノーが咲いています。 

 ぜひ、今のうちに! (→ Ehon Cafe - English Bluebell -

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 この日の勉強会で、むずかしいなあと思ったのは、家の内外の様子。

● kitchen は「台所」か「キッチン」か?

● drive は「私道」か「駐車スペース」か「車寄せ」か「家の前」か?

● kitchen door は「裏口」か「勝手口」か?

● laundry chute はどこにあるのか? 「洗濯物シュート」と訳すか、それとも日本では珍しいので別の言葉に置き換えたり、訳さずにすますか?

● crew-cut は「坊主頭」か「五分刈り」か「スポーツ刈り」か「刈り上げ」か?

● backseat は「後部座席」か「後ろのシート」か「後ろの席」か?

● 寝る前にお母さんが putting things in her hair をしていますが、髪につけているのは「クリーム」か「カーラー」か? 主人公はよくわからないから things と言ってるんじゃないか?

● 寝る前に主人公が finished in the bathroom するのは、「風呂に入った」のか「シャワーを浴びた」のか「トイレに行った」だけなのか「顔も洗って歯をみがいた」のか? 

 

 これらは、作品の読者対象や、舞台となっている場所や時代、その家が豪邸なのかアパートなのか、語り手は子どもか大人か、女か男か、などで変わる場合があるので要注意ですね。必ずこれ、という訳し方はないと思いますが、いつも、いくつか選択肢をもって、作品に合わせて使い分けていきたいものです。はっきりとはわからないこともあるのですが、物語の進行を妨げないように気をくばることはできるでしょう。

 

 おもしろかったのが、参加者で訳し方が分かれた "Shave and a Haircut Two Bits"。よく「ねこふんじゃった」などの最後などにもつける、音でいうと「ド・ソ・ソ・ラ・ソ・シ・ド」(ドはいずれも上のド)というメロディというかリズム。みなさんの訳は、「チャッチャカ・チャンチャン・チャンチャン」とか、「トットト・トントン・トントン」とか、さまざまでした。作中では、合図としてノックをする時に出てくるので、わたしはノックの音を意識して、「タッタカ・タンタン・タンタン」としたのですが、こういうのもむずかしいですね。

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 この日もまた、ああ、自分の訳より、〇〇さんの訳のほうがいいな、と思う箇所がいくつか。ありがとうございます。ためになっています。

(M.H.)