翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

『ヒトラーと暮らした少年』2月刊行予定

 アイルランドの作家、ジョン・ボイン原作の『ヒトラーと暮らした少年』が、あすなろ書房より拙訳で2月刊行予定となりました。どうぞよろしく。

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 こちらで予約受付中です。(→ あすなろ書房【これから出る本】 )

 

 映画にもなった、『縞模様のパジャマの少年』(岩波書店、千葉茂樹さん訳)の姉妹編のような作品です。正確には、あいだにもう一作あって、戦争・ホロコースト・兵役拒否など、戦争と差別をテーマにしたゆるやかな三部作のうちの三作目です。

『縞模様……』では、何も知らずにユダヤ人の収容所に入りこんでしまう少年が主人公でしたが、今作では、主人公(やはり少年)が、故あってヒトラーの山荘で暮らすことになり、次第にヒトラーその人の影響を受けて変わっていく様を描いています。

 前作とはまたちがった切り口で、全体主義のもつ力の恐ろしさが描かれています。ジョン・ボインのストーリーテリングのうまさが今回も光ります。あまり内容は書けませんが、希望も描かれています。

 

(M.H.)