翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

この一年、ありがとうございました!

    あとわずかで新年を迎えます。今年は翻訳関係のイベントにもいくつか参加でき、楽しかったし、刺激を受けました。お声をかけてくださった方、話を聞きにきてくださった皆さん、ありがとうございました。

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     訳書は一冊、『ヒトラーと暮らした少年』を出せました。来年は、訳しためた作品が出版されますので、乞うご期待。

    まずは2月に岩波書店より、『夢見る人』がでます。これはチリのノーベル賞詩人、パブロ・ネルーダの自伝を元に、子ども時代のエピソードをアメリカの作家パム・ムニョス・ライアンがアレンジした作品。挿絵は大好きな画家ピーター・シス。この作品は、原作がアメリカで出た時から訳したいと思っていたので、とても楽しい仕事でした。

    ネルーダが緑のインクが好きだったという逸話に因んで、原作は緑色で印刷されていますが、訳書もその予定。巻末には内容に関係があるネルーダの詩もいくつか収録されていますので、どうぞお楽しみに。とても美しい本になると思います。また、のちのネルーダの、詩作や政治活動に通じる熱い思いが感じとれる作品です。詩の翻訳も、難しいけれど楽しい仕事でした。

https://www.amazon.com/gp/aw/d/0439269709/ref=tmm_hrd_title_0?ie=UTF8&qid=1546165479&sr=8-1 

 

    ほかの3冊も、絵本、絵入り、写真入りと、いずれもビジュアルな作品ばかりで、出来上がりがとても楽しみ。

 

 

    来年も、訳書を通じて、また勉強会やセミナーで、たくさんの方と交流ができることを期待しています。どうぞよろしく。

 

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(M.H)

クリスマスの日に

 今年も世界中で宗教や民族のちがいによる対立が続いています。トランプ大統領の就任後、それだけが理由ではありませんが、ますます悪い方向に向かっています。パレスチナの問題は、ホロコーストについての作品を翻訳してきた身としては、今、ユダヤの人たちが同じようなことをパレスチナでしているのを見ると、とても悲しくなります。

 ヨーロッパの移民問題は、日本でも外国人労働者の受け入れ枠拡大の影響で、この国に前から住んでいる人間に直接関わってきます。「労働者」ではなく、やはり「移民」の問題として考えなくてはなりません。安倍政権のこの問題へのアプローチは、どう考えてもおかしい。閣僚や中央省庁の人たちは、一度、どこか外国に一年くらい、一人で働きながら暮らしてみるといいと思います。その人の立場になって考えられない人間が政治を動かしているのがほんとうに怖い。

 シリアで行方不明になった安田純平さんが、先日解放されたことは朗報でした。しかし、政府の冷たい対応や、一部マスコミの心無いバッシングには心が痛みます。ジャーナリズム、ジャーナリストへの理解がなぜこれほど貧弱なのでしょうか。ローラさんの辺野古問題への発言への対応しかり、この国は、自分の意見をはっきりと口にする行為や、事実を公にしようとする人間に対して、いつからこんなに不寛容に、そして臆病になってしまったのでしょうか?

 いろいろなことを自分の問題として考えたいものです。

 今日は、2015年12月25日に「クリスマスの日に」と題してアップした記事を再録します。 ここ三年、同じ記事を再録してきました。

 

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翻訳勉強会、募集状況

 12月4日の投稿で募集した3月からの翻訳勉強会ですが、現勉強会から移行される方と、新たに申し込まれた方で10名となり、とりあえず満席となりました。

 今後、欠員が出たり、定員を増やしたりした場合は本ブログでお知らせしますのでよろしくお願いします。

haradamasaru.hatenablog.com

 

 

 また、移行される方がいらっしゃるので、来年3月から、従来から開いている勉強会に空きが出ます。もし、そちらに出てみたいという方がいらっしゃれば、このブログのメアドにご連絡ください。

 こちらは、原則月2回、月曜日の午後3時〜5時に、川越の絵本カフェ「イングリッシュブルーベル」【 Ehon Cafe - English Bluebell - 】さんで、ひらいています。見学参加もできますので、ご希望の方はメールしてください。

 

 どうぞよろしく。

 

(M.H.)

『オオカミを森へ』読書会

 土曜日、12月8日は、神保町のブックハウスカフェで、拙訳『オオカミを森へ』の読書会がありました。洋書の森「おしゃべりサロン」主催のイベントで、わたしもお招きいただき、20名ほどの方からいろいろな感想が聞けて、とても楽しかったです。参加してくださった方、スタッフのみなさん、ありがとうございました。

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(暖かかった東京ですが、神田界隈の銀杏がようやく鮮やかな黄色に色づき、散っているところでした。)

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翻訳勉強会、メンバー募集のお知らせ

【 定員に達しましたので、いったん募集を停止しました。空きが出ましたら、当ブログでお知らせします。 2018年12月 】

 お知らせです。

 来年3月から、月2回の予定で新たに翻訳勉強会をひらく予定です。以下に概略を掲載します。参加希望の方、あるいはご質問のある方は、本ブログのメールアドレス宛にご連絡ください。

 従来より、やはり月2回、川越で平日の午後に勉強会を開催していましたが、今回、新たに勉強会をひらこうと思ったのは、夜でないと都合がつかない方ともご一緒に勉強する機会を設けられれば、と考えたからです。自分は若い頃、たまたま午後からの仕事だったので、翻訳学校の午前中の授業をとることができましたが、そうでない方もたくさんいらっしゃると思いますので。

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2018シーズン最終戦

 レッズはホーム埼スタで、FC東京に3−2で競り勝ち、リーグ5位で終えた。天皇杯をにらんでメンバーを落とした中で、李が気を吐き2得点、入籍したばかりの新人柴戸が初ゴール。守備はお世辞にもいいとは言えなかったし、パス交換もスムーズではなかったが、それでもリスタートと速攻で3得点。どうも、あれだけミシャのパスサッカーをやってきたのに、浦和のDNAか、堅守速攻のほうがチームにあっているように思う。

 

 それはともかく、今日は平川の引退がハイライトだった。

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Fくんからのメール

 先週、中学生のFくんから、このブログあてにメールをもらいました。

 内容は、『ムシェ 小さな英雄の物語』を読んで翻訳について興味が湧き、さらに、この本について書いたわたしのブログの記事を見つけ、訳者の金子奈美さんや編集者さんに聞きたいことがあるので、連絡をとってもらえないか、という趣旨でした。

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ニヤニヤが止まらない

 先週、金曜日は絵本の打ち合わせでした。

 編集者さんと、ああでもない、こうでもない、と一時間あまり。原書のアメリカ版、イギリス版、翻訳されたフランス語版、ドイツ語版、どれもちょっとずつ製本がちがったり、色味がちがったり、紙がちがったり……。

 がんばってるなあ、外国にいる翻訳者仲間や出版社仲間も。

 

 それにしても、こういう打ち合わせは楽しくてしかたない!

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(なにを見上げているかは、お楽しみ!)

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