翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

アビエイター

 昨日は夏に出る伝記絵本の原稿を、編集さんと検討してきました。

 この人の伝記です。

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 って、見る人が見れば、わかりますよね。そう、サン=テックス、こと、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ。この人、もちろん作家さんですが、基本、飛行機乗りです。一生、飛行機に乗りたくて、飛行機に乗って、飛行機の上で本読んで、原稿書いて、飛行機に乗って死んじゃった人です。この絵本は、そこを丁寧に描いた絵本です。資料調べが結構大変。でも、楽しい。

 

 

 先週、WOWOWで録画しておいた『アビエイター』を見ました。大富豪ハワード・ヒューズの伝記映画ですが、タイトル通り、この人も結局、一生、飛行機乗り、というか、飛行機を作っちゃうわけですが、そういう人です。

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 なんといっても、主演のレオナルド・ディカプリオがいい。二枚目男優、大好きです。古くはアラン・ドロン、ロバート・レッドフォードなどもいいですねえ。さすがに、エロール・フリンまでは知りませんが(この映画には出てきますね、エロール・フリン。いやなやつです。)、ディカプリオは、『タイタニック』で広く世に出た時は、甘い感じが今後どうだろう、と思ったけど、よくなりました。

 若くして死んでしまったジェイムズ・ディーンやリバー・フェニックスのような壊れそうな感じが、この『アビエイター』ではよく出ています。鼻にかかった高い声も、一歩まちがうと、あれえ、って感じですが、この映画ではエキセントリックな感じでたまりません。

 まあ、一番印象に残るのが、牛乳びんに入れてずらりとならべたおしっこ、というのはどうかと思いますが、飛行機の胴体を撫で回すところとか、速度記録を作る時のコックピットでのシーンとか、ぐっと来ます。

 でも、もう、この映画から10年経っちゃってるわけで、もしかしたら、一番いい時のレオ様だったのかもしれません。

 

 オートバイも危険な乗り物ですが、飛行機はその比じゃない。サン=テックスも、ヒューズも、とりつかれちゃったんですね。バイク乗りとしては、ほんのちょっぴり、ちょっぴりだけですが、彼らの気持ちがわかります。

 この気持ち、訳文に出るといいんですけど。(M.H.)