翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

『ペーパーボーイ』、日本翻訳大賞二次選考へ

 昨日の記事でも書きましたが、ヴィンス・ヴォーター作、岩波書店刊、拙訳『ペーパーボーイ』が、第三回日本翻訳大賞の二次選考対象作品に選ばれました。

ペーパーボーイ (STAMP BOOKS)

 

 電車の中でツイッターをチェックしていて、「おっ、二次選考作品発表だ。ふむふむ、今年もまた英語圏以外が強いのかなあ」などと思いながらスマホの画面を指で送っていくと、タイトル五十音順なので、15作品中、13番目にまさかの『ペーパーボーイ』が出てきて思わずのけぞり、二度見、三度見してしまいました。いや、ほんとうにうれしいです。というか、ぴんときません。

【 第三回日本翻訳大賞 二次選考対象作品一覧 】besttranslationaward.wordpress.com

 

 このあと、二次選考で5作に、そして、大賞が2作(1作?)選ばれます。そこまで夢は見ませんが、過去2回と同様であれば、授賞式の舞台で15作品が紹介されるはずです。大好きなこの表紙(丹地陽子さん装画)の画像がスクリーンに映ると思っただけで、うれしすぎてニヤニヤしてしまいます。

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(これは昨年、第2回授賞式のオープニング)

 

 これを機会に、来年以降も、児童文学やヤングアダルト文学の作品が、またひとつふたつ、二次選考、そして最終選考まで残ってほしいと思います。たぶん、それが、この作品が今回一次選考を通過した理由でもあり、意義だとも思うので……。

 また、欧米では、過去50年、100年の名作ベスト100といったアンケートをとると、必ず児童書が上位にたくさん来ますし、オバマ前大統領の読書リストにも、児童書が何冊も入っていました。大人にももっとたくさん海外の児童書やYAを読んでほしいし、少しでもその助けになってくれればと思います。

 

 しかし、去年は仕事以外の本をあまり読めず、結局、今回、自分は一冊も推薦しませんでした。ダメな読者です。なにせ、読書スピードが遅いので、今年もきびしいと思いますが、狙い撃ちで読んでみるかな。

 

(M.H.)