翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

やわらかく訳す(翻訳勉強会4−1)

 すでに次の課題に入って4回めとなった勉強会ですが、これから出る本なので、あまり内容を具体的に書くことは控えようと思います。というわけで、あまり、この勉強会のタイトルで記事が書けません。が、今日は少し。

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(会場の絵本カフェ、イングリッシュブルーベルさんの店内には、春の兆し、ミモザがあちこちに。【 Ehon Cafe - English Bluebell - 】)

  この勉強会をやり始めてからよく思うのですが、自分の訳文は言葉の選び方が少し硬めだということ。直訳をさけなければならないところはわかってやっているつもりですが、勉強会のメンバーの方の訳を見ると、「ほう、やわらかい!」と思うことがしばしばです。

 ただ、自分一人で、自分の訳文だけを見ている時には、あまりそうは思いません。訳文が硬いと言われたことは何度かありますが、やはり、一人で訳している時にそう思わないかぎり、自然にやわらかくはなっていかないんでしょうね。まあ、わりと、作品そのものも「硬め」のものが好きなので、雰囲気としてはそんなにはずれていないだろうと思っています。

「硬い」「やわらかい」というのは、手で触れる物じゃあるまいし、どこで判断しているかといえば、やはり、直訳に近いとか、漢語や文語が多いとか、大人しか使わない言葉が多いとか、そういうことなのでしょう。

 

 硬い文だから悪いというわけではありませんが、やわらかくできるけど、硬くしている。ここは必要だからやわらかい文にする。そうありたいものです。

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 ミモザの黄色を見ていると、少し、やわらかい文が書けそうな気がします。

(M.H.)