翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

コロッケと、ビールと、サッカー少し……。

 うまい! 

 今の家に越してきてからもう27年になるが、この食堂に何度来たことか。このあと、家内とそれぞれ定食を食べて2千円払ってお釣りがきた。時々、ビール代を忘れてるんじゃないかと思うのですが、「いただいてますよ」とにこやかにマスター。なにより美味しい。

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JBBY贈賞式

 昨日は神楽坂の日本出版クラブで、JBBY(日本国際児童図書評議会)賞の贈賞式があり、出席してきました。拙訳『ハーレムの闘う本屋』を、IBBYの2016年度翻訳部門のオナーリストに推薦していただき、また、JBBY賞もいただいて、ほんとうにありがとうございました。関係者の皆さんにお礼申し上げます。

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共謀罪成立について

 ほんとうにやるせない気分です。どうしてこんな法案が通ってしまうのでしょうか? 戦後、日本は経済大国となった陰で、じつは地に足をつけた民主主義が成立していなかったことが、成長神話に翳りが出てきたところで露呈した感じがします。

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(ムラサキシキブの花。奥ゆかしさを見習いたい。)

 

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イラク戦に想う。

 昨日、イランのテヘランであった、サッカーW杯アジア最終予選で、日本はイラクに1−1で引き分け、とりあえずグループ首位に立った。中継の中で、アナウンサーが「イラクはバスラで親善試合を行ない……」と言った。思わず、おっ、と体が反応した。そうか、バスラで試合ができるくらいに治安が回復したのか……。

 下の写真は、たぶん1982年ころのバスラ。同じ事務所で働いていたイラク人スタッフの写真だ。むかって左はサミ、右はサルゴン。この時二人はたぶん30歳前、自分も25、6歳だった。 ということは、この二人も、無事であればもう60代半ばになっているはずだ。無事であってほしい。

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物語詩

 詩の翻訳は、むずかしいけれどきらいではありません。いや、じつはけっこう好きです。訳し始めた本の冒頭に、作者の詩が引用されていました。訳しはじめると、これが夢中になります。言葉を選ぶ、行を調節する、リズムを整える……。

 ただ、詩の知識はほとんどないし、英語の韻を日本語に移すのは無理だと最初からあきらめているので、ひたすら日本語で読んだ時のリズムや心地よさ(時には不気味さ、恐ろしさ)、わかりやすさを考えて言葉をならべていきます。

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まずは原作者の名前を……

 今年は仕事が重なって、うれしい悲鳴です。で、とにかく、届いたゲラをにらみながらも、次の本もとりかからないと、と思い、まずはタイトルを訳し(とりあえずね)、原作者の名前の発音を確かめました(これはしっかり)。

 以前も紹介したことがありますが、アメリカの "TeachingBooks.net" という読書教育のためのサイトに、アメリカ人を中心に、子どもの本の作家たちが、自分の名前を発音してくれているコーナーがあります。自分で発音して、ちょっと説明とかもしてくれています。

 たとえば、拙訳『ペーパーボーイ』(岩波書店)の作者、ヴィンス・ヴォーターさんの場合は以下の通り。

【 TeachingBooks.net Audio Name Pronunciation | Vince Vawter 】

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ふしぎな瞬間

 おおよそ訳し終えた物語を推敲のために読み直していると、とてもふしぎな瞬間にめぐりあうことがあります。

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 原書を読んで、十分理解したつもりで日本語に訳してきたはずなのに、それも、何度も読み直し、修正してきたはずなのに、翻訳作業も仕上げの段階になって、「ああ、そうか。そういうことだったのか」と腑に落ちることがあるのです。

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