翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

『弟の戦争』、四度目の舞台化!

 ロバート・ウェストール作、拙訳『弟の戦争』がまた舞台化されます。青年劇場、劇団うりんこ、劇団俳小と、これまで三度舞台化されていますが、今回は演劇企画ポカラの会による名古屋での公演です。

 11月8日(金)の15時、19時の二回。すでにチケットは売り出されているようですから、お近くの方はぜひ!

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新刊予告『キャパとゲルダ ふたりの戦場カメラマン』

 版元・アマゾンに書影が出ましたのでご紹介を。

 戦争写真の草分けロバート・キャパと、その恋人で彼を世に出したともいえる、やはり写真家ゲルダ・タローの伝記です。

キャパとゲルダ ふたりの戦場カメラマン

 装画は、先日ご紹介した『平場の月』の表紙を担当された田雑芳一さん。いい雰囲気です。

 

 細かいことは、いずれまた。原書が出る前から目をつけて企画をもちこんだ、思い入れのある作品です。本格的な伝記ですが、ヤングアダルト向けに書かれています。胸が熱くなる一冊。

 

 現在、鋭意、ゲラチェック中。9月発売。乞うご期待!

 

【 あすなろ書房【これから出る本】 

 

(M.H.)

高校生には『老人と海』

 たぶん、初めて買った(読んだ、ではない)洋書は、"The Old Man and the Sea" のペーパーバックだったと思います。高校生の時、最初の2ページくらい、辞書を引きながら読みかけて、挫折した記憶があります。あのころの日本でも、ちょっとした大型書店に行くと、この本のペーパーバックは売られていたのですからすごいもんです。

 翻訳中の『ペーパーボーイ』の続編『コピーボーイ(仮)』の中で、17歳になったあの主人公「ぼく」の愛読書が、この『老人と海』。

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変化を選べる社会へ

 参院選が明日に迫っています。今回の選挙で政権を変えることはできませんが、その第一歩にすることはできます。

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 わたしは二十代の時に、一党独裁政権の国に二度、長期滞在したことがあります。

 最初は、サダム・フセイン政権下のイラク。二度目はペレストロイカ以前のソ連です。

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『王国の鍵』豆本いただきました。

 翻訳家の横山和江さんのお嬢様から、『王国の鍵』(ガース・二クス作、主婦の友社)の豆本をいただきました。子どもの頃によく読んでくださっていたそうです。最近また読みたくて全巻そろえたいというお話があり、手元にあったものを2巻ほどお譲りしたお礼でした。

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 日本版の表紙の茶色い革装風を再現してくださいました。時計の文字盤は原書のカバーにもありますね。しかし、よくこのサイズで、と思います。すごいですねえ。

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国の形を選ぶ。

 チリの詩人パブロ・ネルーダの子ども時代を描いた作品、『夢見る人』(パム・ムニョス・ライアン作、ピーター・シス絵、拙訳、岩波書店)は、ネルーダの夢見がちだった少年時代から、社会問題への意識の芽生えと、父親からの独立を描いています。

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 この挿絵の愛らしい少年は、その後、詩人となってノーベル文学賞を受賞するだけでなく、チリの領事として内戦下のスペインに赴任、スペイン人民戦線に共感し、帰国後は共産党員となってアジェンデ政権を支持し、その後、ピノチェトの軍事政権に反対し、最後は家宅捜索を受けて不審な死を遂げます。

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変化と多様性と。

 下の写真は、今翻訳中のYA作品、アイルランドの作家、ジョン・ボインが書いた、"My Brother's Name is Jessica" の表紙です。レインボーカラーですね。象徴的です。タイトルからもわかるように、「お兄さんがお姉さんだ」という、トランスジェンダー の話。主人公は、最初は受け入れられませんが、しだいに理解していきます。

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