コロナの流行に伴い、主宰している勉強会二つは、どちらも昨年からリモートになりました。そうすると、ただでさえ発言がしづらくなる上に、会が始まる前の、三々五々、集まってきたメンバーで交わしていた雑談や、終わったあとのお茶や飲み会がしづらくなりました。また、新しいメンバーの人柄がわかるのにも少し時間がかかります。
それで、このあいだから、初めの10分、15分を、一人ずつ順番に自己紹介や本・映画の紹介にあてることにしたのですが、これがなかなかおもしろい。時には、訳文の検討よりずっと楽しい!(笑)
(近所の桜。もう、これはずいぶん前の写真)
自作の短編の朗読、翻訳学習の悩み、海外生活で体験したこと、最近読んだ本の感動、好きな作家のこと、映画の話、どうして登山を始めたか、お子さんに読んであげていた本の話……。zoomで画面共有するためのレジュメや写真を用意してくれるメンバーもいます。片方の勉強会は、すでに2周目に入りましたが、なんだかいっそうテンションが上がってきたような……。
で、考えたんですが、翻訳がおもしろい、やりたいと思う人は、なにかを表現したいという気持ち、そして、本や映画や絵画、風景や体験を通じて感じたことを分かちあいたいという気持ちが強いんだろうな、と。そして、たぶん、こういう気持ちは、翻訳をする上でとても大切なんだろう、と。
びっくりするような話も結構あって、しかも、ひとりひとりが本当にさまざまな体験をしていて、あるいは、さまざまな趣味や嗜好をもっていて、だからきっと、翻訳したいジャンルや本もちがうだろうし、どういう作品に惹かれるかもいろいろで、そう考えると、なんだかとても楽しくなります。
リアルだと、シャイな人はどうしても自分の話を最後まで話しきれず、尻切れトンボになることも多いと思いますが、毎回、一人、順番が決まっているし、zoomだと、ほかのみなさんもいい集中で耳を傾けることができます。我ながらいいアイデアだったと思います。
片方の勉強会は、前回、そのままzoom飲み会に突入しましたが、リアルだと同じテーブルとか、近くの人の話しか聞けないけれど、zoomだと、一人の話をみんなで共有できるので、これはこれで良さもあるよね、という話も出ました。
ただし、ああ、そのお酒おいしそう、と思っても、お酒までは共有できないのが残念でしたが……。
コロナが収束しても、リモートとリアルのいいとこどりを目指したいものです。
(M.H.)