翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

「BOOKMARK」19号、鈍器本特集

 海外文学の紹介リーフレット、BOOKMARK19号がとどきました。いわゆる「鈍器本」、分厚い本特集です。

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 金原先生の巻頭言と、桜庭一樹さんの寄稿文がいいです。今回、いつもとちょっとちがうのは、本の厚さを誇示するように、背表紙やら、立てて並べたものやらの写真が入っていること。

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浦和レッズ、祝天皇杯優勝、ACL出場権獲得!

 というわけで、昨日は今季最後のレッズ戦。土壇場で待っていたドラマチックな展開、もう最高でした。朝から家内と二人で初の新国立競技場へ、2時からの試合、表彰式、帰ってビデオで復習……。幸せです。

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 3階席でしたが、とても見やすい。足元の狭さは、見やすさを確保するための傾斜をつけるために仕方ないのかなあ。

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『ぼくは川のように話す』やまねこ賞!

『ぼくは川のように話す』が、やまねこ翻訳クラブの第24回やまねこ賞(絵本部門)に選ばれました! やまねこのみなさん、ありがとうございました!

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 昨年の読み物部門で『コピーボーイ』が第1位に選ばれたので、2年連続となりました。子どもの本の翻訳に関わっているみなさんの投票で選ばれることは、たいへん光栄です。

 

 なお、読み物部門の第1位は『詩人になりたいわたしX』(エリザベス・アセヴェド作、田中亜希子訳、小学館)。そのほか、投票結果は下のリンクから。

www.yamaneko.org

(M.H.)

ル=グウィンの物語作法、"Steering the Craft" を読む。

 先日の読書会の課題本が、アーシュラ・K・ル=グウィンの『影との戦い』だったので、ル=グウィンの物語作法の本を購入し、あちこち拾い読みしていますが、翻訳に通じるところがたくさんあって、おもしろい。

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 第1章は、1. the sound of your writing というタイトルで、音の話。翻訳でも、何度も自分の訳文を読み直せ、と言いますが、この章の始まりは、

"The sound of the language is where it all begins. The test of a sentence is, Does it sound right? The basic elements of language are physical ... "

となっています。

"Most children enjoy the sound of language for its own sake.

とも。("Steering the Craft”、p.1,  (c)1998 by Ursula K. Le Guin)

 

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『ぼくは川のように話す』日本YA作家クラブ記事

 日本YA(ヤングアダルト)作家クラブのインタビュー記事で紹介していただきました。

 リンクはこちら。

インタビュー 翻訳家の原田勝さん 『ぼくは川のように話す』では、幾千もの水面の光に照らされながら、少年の心の変化を一緒に体験できて……こ、これは「エモい」です!

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 記事をまとめてくださった、日本YA作家クラブの梨屋アリエさん、いつもありがとうございます。梨屋さんからは、「川のように」というと、ゆったりと流れる川をイメージするのだが……、という質問があったのですが、それに対するわたしの答えは……。

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古典児童書を読む会『ゲド戦記1 影との戦い』

 月曜は、コロナでずっと行けていなかった読書会が、川越の絵本カフェ、イングリッシュブルーベルさんであり、行ってきました。今回の課題本は『ゲド戦記1 影との戦い』。ル・グウィンの傑作とされていますが、なかなかむずかしい。岩波少年文庫には「中学生から」となっていますが、一回読んだだけではわからないところも多々あります。

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浦和レッズ、阿部勇樹選手引退会見

 レッズからのメールで、今日、19時から重大発表の連絡が来ていたので、まあ、たぶんそうではないか、と思いながら、テレビにYouTubeをつないでスタンバイ。阿部ちゃんの引退会見を1時間、じっくりと見ました。

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 いや、ほんとにこの人は、なんて人間ができてるんだ、と何度思ったことか。オシム、ミシャと、世話になった監督への言及は予想できたが、いちばん世話になった人は、という質問に、レッズのマネージャー、水上さんの名をあげて涙を流すとは、もう、こっちの涙腺も崩壊ですよ。

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