翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

ACL グループステージ第4戦 HOME vs 北京国安

 △1−1 (G:槙野)

 これで、グループステージ突破は、ほぼ絶望的に。

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 北京国安はよく組織されたチームだった。さすがマンサーノ監督(と、言っても、じつは詳しく知らないが……)。一人一人が手を抜かない。FWの二人は、前からよくチェイシングしていた。特に、21番のフェイズラフという元スウェーデン代表は、ほんとに真面目に90分間プレッシャーをかけていた。それに合わせて中盤の選手はパスコースを切り、DFラインもしっかり上げて、コンパクトに陣形を保っていた。ああいう守備を、ぜひ、浦和も練習してほしい。

 

 また、一人一人ががっちりした体型なのに、スピードがあって、体の使い方も巧み。うちは競り合いで負けることが多かった。以前のKリーグの選手のような、足の裏から行く闇雲なタックルは少なく、体の入れ方、ぶつけ方がうまい。後半、激しい攻防が続いた後は、わざと倒れて流れを切るあたりもクレバー。

 全部前からプレッシャーをかけるわけではなく、時には陣形を整え、なんと6バックになり、その前に4人がならぶ6−4の2ライン(ビデオで確認はしていない)に近いディフェンスをしていたように見えた。うちがボールを回してサイドから、あるいは、そう見せて、縦パスからフリックをねらうことを百も承知で、それをさせない陣形なのだろう。そして、バックラインも下がりすぎず、競り合いからボールをからめとった瞬間、前の選手が裏を狙い、そこへ浮き球のパスを供給しようとしていた。

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 槙野のゴールは右コーナー(高木のキックもよかったのだろう)からのヘッド。後半、ヒラに代わって関根が入り、だいぶ右の前が活性化したが、やはり、中盤でボールを奪ってから、ゴールに向かうスピードが遅く、フリーランニングをする選手が少ない。

 李がワントップだったが、なぜ使い続けるのか素人目にはまったくわからない。ボールはおさまらないし、武藤、石原との連携もいいとはいえない。競り合いもうまくないし、シュートは左にもちかえようとしてコースがなくなる。どう考えても、90分、あのポジションで使うパフォーマンスではなかった。李は点で合わせるか、裏のスペースに抜け出た時に良さが出る選手だと思う。彼のひたむきさは好きなんだが、ミシャの起用法には疑問符がつく。かわいそうだ。

 うちの選手は、それぞれ、よく頑張っているのは伝わってきた。が、それだけでは勝てない。北京としては、アウェイで勝ち点1。負けなしで通算勝ち点10は上々の出来だろう。

 

 

 今日は無茶苦茶寒かった。気温は4度くらいしかなかったらしい。昼間は雪が降った。

 スタジアムに入り、まずはマリノス戦のシーチケ入場抽選番号札をゲット(90番台! 北の知り合いに預ける)。バックスタンド裏のコンコースの売店で働いている、同じマンションに住むIさんにご挨拶。おまけしてくれたり、新商品が出ると試食にいただいたりして、いつもすみません。

 とにかく寒いので、熊本豚骨ラーメンを食す。おいしいんですよ、これが。家内と二人で分け合って食べていると、横にいた30代とおぼしき女性二人組の会話が耳に入ってきた。

「そう言えば、ヤーくんのゴール、見た?(ヤーくん、ってだれだ?) 無回転だったよねえ、あれ。(そうか、日曜日の矢島慎也のミドルのことか)」

「今日は、ハリさん、来るらしいよ。(ハリさん、ってだれだ?) だれを見にくるのかしら。(そうか、ハリルホジッチか!)」

「ヒロくんも、ロスタイムに決めたらしいじゃん。(ヒロくん?)」

「徳島から鹿島でしょう? すごいよねえ(ああ、高崎か!)」

 完全に、幼稚園児のお母さんたちの会話だった。うーん、恐るべし浦和サポ。と、思っていると、コンコースを歩いてくるおねえさんは、15年以上前、駒場の時からマッチデー・プログラムを売っている人だ。あの人、普段、なにやってるのかなあ。あれだけで食ってけるはずないしなあ……。

 

 まあ、浦和サポは試合を見に行っているだけではないのですよ。見たり、聞いたり、面白いことはいろいろあるんです、ハイ。(M.H.)