翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

『山は しっている』

『山は しっている』(リビー・ウォルデン作、リチャード ・ジョーンズ絵、横山和江訳、すずき出版)を、訳者の横山さんから送っていただきました。これ、表紙しか見てないことを前回のエントリーで書いたら、送ってもらっちゃいました。横山さん、ありがとうございます。)

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月刊書評誌「子どもの本棚」9月号

「子どもの本棚」2020年9月号に寄稿しました。
 特集が「世界への窓──翻訳作品をとどけたい 新訳での再発見──」となっていて、菱木晃子さんによる「ピッピ」と「カッレ」の新訳の話や、こみやゆうさんの子どもの本の翻訳に対する考え方が載っています。

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 わたしはこの特集の中ではないのですが、My Messageのコラムに「なぜ「若い読者」にむけて「外国」の「文学」を翻訳するのか?」という文を寄せました。藤沢市での講演のために考えたことを、ここでも再度まとめて書いています。

 (1)外国の物語であることの意味、(2)文学による擬似体験、(3)登場人物・読者が子どもや若者である意味、にまとめています。機会があれば読んでいただければうれしいです。図書館にはおいてあるのではないでしょうか。どうぞよろしく。

 

 あ、新刊紹介では『兄の名は、ジェシカ』をとりあげていただきました。ほかに、知ってる方の訳書では、中野怜奈さん訳の『おひめさまになったワニ』、横山和江さん訳の『山はしっている』(これ、表紙が超絶きれいなのですが、中をまだみてない……)、沼野恭子さん訳、オレイニコフ作の『ちいさなタグボートのバラード』(オレイニコフの絵はほんとすごいから、ぜひ一度見てほしい! 沼野さんは大学の同級生です)、野坂悦子さん訳の『ねえさんの青いヒジャブ』が紹介されています!

 

(M.H.)

本をいただきました。

 とりあえず、昨日、深夜に、アグネス・チョウさんは保釈され、ほっとしています。

 

 昨日は、いただきものの本が二冊、同時に届き、驚くやら、うれしいやら。なかなかこういうことはありません。せっかくなので、以下に紹介させてください。

 

 1冊目は『アートにみる身ぶりとしぐさの文化史』(デズモンド・モリス著、伊達淳訳、三省堂)

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 担当編集者さんと伊達さんをつないだだけなのですが、こんなに豪華な本をいただいてしまって恐縮です。320ページ、カラー、3600円。絵画や彫刻、ポスターなどにみられる人間のポーズを読み解く本です。翻訳者としても興味深い本。

 編集者さんは同じ高校を、伊達さんは同じ大学を卒業している縁です。モリスの本を、他社で訳されていた伊達さんのお仕事を知っての依頼でした。こういう訳者の選び方はうれしいです。

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「Casa Brutus」9月号

 月刊「カーサ ブルータス」9月号は、「大人も読みたいこどもの本100」特集なのですが、なんとその081番に、拙訳『夜のあいだに』(テリー・ファン&エリック・ファン作、ゴブリン書房)を載せていただきました!

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 表紙は言わずと知れた『エルマーのぼうけん』。エルマーについては、前沢明枝さんの監修で、『エルマーのぼうけん』はどのようにして生まれたのか? という特集記事もあり、レイアウトの試作の写真なども載っています。これ、すごい!! ちなみに、『エルマーのぼうけんセット』は100冊のうちの006番。

 

 いろいろな切り口で作品をとりあげていて、全ページカラーですし、読み応え、というか、ながめ応えあります。ちなみに、001番『鉄腕アトム』、003番『青春を山に賭けて』、007番『いやいやえん』……、いやバラエティに富んでいて、とても楽しい。

『はらぺこあおむし』、『スヌーピー』、『あおのじかん』、『星の王子さま』、『ドラえもん』……、これ選ぶの楽しかっただろうなあ。『ルドルフとイッパイアッテナ』、『エミールと探偵たち』、ホッツェンブロッツ、ムーミン、マチルダ、ナルニア、アリス……。

 

 

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『夜のあいだに』は、「MASTERPIECES② 21世紀の名作絵本21冊」として、2001年以降に発売された絵本の中から選んでもらいました。【朝と夜】というページに、荒井良二さんの『あさになったのでまどをあけますよ』とならべてもらってます。となりのページには、酒井駒子さん絵・訳の『ビロードのうさぎ』、大好きなショーン・タンの『アライバル』。

 こんな幸せなことがあるでしょうか! 

 

 こちらから、中身が少し見られます。

試し読み動画 | Casa BRUTUS | マガジンワールド

 

(M.H.)

 

 


 

『ペーパーボーイ』2刷見本出来!

『ペーパーボーイ』2刷の見本がとどきました。これまでに読んでくださったみなさん、ありがとうございます。初版から4年たっての増刷です。続編の『コピーボーイ』を出せたこともあって、『ペーパーボーイ』を一緒に、あるいはあとから読んでくださっているかたもいるようで、とてもうれしい。

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 この本は自分のもちこみで、岩波書店さんから初めて訳書を出せたし、編集者さんや、装画を描いてくださった丹地陽子さんともお会いできたし、日本翻訳大賞の最終候補にもなったし、ほんとうにいろいろな縁をもってきてくれた本です。

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「信念は社会を変えた!6人のインタビュー」シリーズ

『グレタ・トゥーンベリ──信念は社会を変えた!6人のインタビュー』(ジェフ・ブラックウェル&ルース・ホブディ編、橋本恵訳、あすなろ書房)。すでに書店にならんでいます。

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 6冊シリーズのうちの1冊ですが、9月にはシリーズのうちの『ネルソン・マンデラ』が拙訳で出る予定ですが、まずは最初に出たトゥーンベリさんの巻をご紹介。

 スタイリッシュな装幀で、すばらしいポートレイトが表紙になったインタビュー本です。ほかにも、やはりクロースアップの写真が数点。スタジオで撮ったと思われ、トゥーンベリさんの強さや優しさ、若さをしっかりととらえています。とても読みやすい翻訳は橋本恵さん。コンパクトな本ですが、グレタの生の声を知ることができます。コンパクトな本で定価は1000円。ぜひ!

www.hanmoto.com

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Catalina

 昨夜、ふと思いたって、iMac のOSをCatalinaにバージョンアップし始めました。パソコンのOSを入れ替えるのは、昔、いろんな苦労を味わっているのでおっかないのですが、締め切り間際の原稿がなく、ちょっと間隔があいたので、この隙に、と。

 さほどトラブルなく完了。最近のMacのOSのインストールは本当に簡単で、しかも無料。先日、WordやExcelをMicrosoft365の年払い自動更新にしたばかりだったので、とにかく、こいつらがちゃんと動かないと困ると心配でしたが、とりあえず、問題はなさそうで一安心。

 朝起きて、いちおうOSは入れ替わり、その後、細かい修正や、ソフトの入れ直しなどをしました。動かないと警告の出たプリンタドライバーも動きました。でも、最初はすべてのソフトの動きが遅いので、じりじりしながら、なんとなく朝がすぎていきました。

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(近所の Tully's のパンケーキ。時折、無性に食べたくなります。)

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『土曜日はお楽しみ』

 今日は久しぶりに、川越のイングリッシュブルーベルさんで「古典児童書を読む会」がありました。課題本はエリザベス・エンライト作、谷口由美子訳の『土曜日はお楽しみ』。

 これはとてもおもしろく読めました。もう80年も前のアメリカで書かれた作品ですが、きょうだい4人の小さな冒険がとても愉快に、でも、子どもの感情を鋭く捉えて描かれています。

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(コロナ中ということもあり、おやつはなし、ドリンクは梅ジュース、酢、ホーリーバジル、ドクダミ入りのホットドリンク。肌寒い雨の日に、おいしゅうございました。)

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