とりあえず、昨日、深夜に、アグネス・チョウさんは保釈され、ほっとしています。
昨日は、いただきものの本が二冊、同時に届き、驚くやら、うれしいやら。なかなかこういうことはありません。せっかくなので、以下に紹介させてください。
1冊目は『アートにみる身ぶりとしぐさの文化史』(デズモンド・モリス著、伊達淳訳、三省堂)
担当編集者さんと伊達さんをつないだだけなのですが、こんなに豪華な本をいただいてしまって恐縮です。320ページ、カラー、3600円。絵画や彫刻、ポスターなどにみられる人間のポーズを読み解く本です。翻訳者としても興味深い本。
編集者さんは同じ高校を、伊達さんは同じ大学を卒業している縁です。モリスの本を、他社で訳されていた伊達さんのお仕事を知っての依頼でした。こういう訳者の選び方はうれしいです。
もう一冊は、『幻想と怪奇3 平井呈一と西洋怪談の愉しみ』(304ページ、2200円、新紀元社)。以前、川越の勉強会でご一緒していた伊東晶子さん訳の短編、M・P・デアの「非聖遺物」が掲載された号です。
この短編の翻訳は、川越の勉強会のメンバーを中心にした同人誌「翻訳編吟(ほんやくぺんぎん)」の第4号に掲載された作品の転載です。右の写真は「翻訳編吟」掲載時の扉。これも、なんだかとてもうれしい。
イギリス人の主人公が、夜、フランスの聖堂の地下にとじこめられてしまい……、という話なのですが、読んでいて、ガース・ニクスの『ライラエル』の一場面で、地下を探検していたライラエルが、怪物を眠りから目覚めさせてしまう場面を思い出しました。ニクスはオーストラリア人ですが、いろいろなイメージを、イギリスやヨーロッパの遺跡などから転用しているらしく、こういう作品も読んでいるのかもしれません。
2冊とも、自分のジャンルではありませんが、なんだか、出版翻訳、まだまだいけるんじゃないか、と元気をもらった気がします。
伊東さん、伊達さん、ありがとうございました。
(M.H.)