翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

小学館世界J文学館、11月刊行!

 小学館から、若い読者むけの、新しい形の世界文学全集が、この秋、出版されます。題して「小学館世界J文学館」。世界の名作125作品が、一冊のガイド本+電子書籍で5,500円という、画期的な形式で発売されます。

www.shogakukan.co.jp

 上のリンクから小学館のHPを見ていただくと、くわしく載っています。とてもりっぱなHPで、どんな挿絵が入るのか、ガイド本の中身、電子書籍の体裁などもわかります。ガイド本があるのがいいですね。紙の本ならではの利便性で本を選び、実際の125冊はPCやタブレット端末で読む、というコンセプト。現代の読書環境ならではのものです。

 わたしもそのうちの2冊、『タイムマシン+短編2作』、『野性の呼び声』(現状HPでは「荒野の……」となっていますが、「野性の……」になる予定)を担当しています。ラインナップは英米独仏だけでなく、中国語、韓国語、スペイン語、ロシア語、アジアやアフリカの諸言語など、幅広くセレクトされていますし、日本の作品も『古事記』や『竹取物語』、谷川俊太郎詩集や『魔女の宅急便』も収録されています。HPでは、全作品のタイトルや訳者も確認できます。

 訳文は小学校高学年くらいから読める、を目標に訳していますが、これがなかなかむずかしい。基本的には完訳なので、省略せずに、でもわかりやすく訳すことに腐心しています。翻訳力が鍛えられています。

 

 自分が本好きになったのは、小学生のころに、河出書房の「少年少女世界の文学」を全巻買ってもらったことがとても大きかったと思います。毎月2冊ずつ配本されてくる本が待ち遠しくて、好きなものは何度も読み返しました。今の子どもたちにもぜひ、そんな文学好きな子どもになってほしい。

(M.H.)