ピーター・シスが繊細な絵でガリレオ・ガリレイの生涯を描いた絵本、『星の使者』の11刷見本が来ました。もう20年以上売れ続けていて、とてもうれしい。
翻訳する時は、一生懸命文字を追っていたのですが、今見ても、絵のあちこちにいろんな発見があっておもしろい。シスの絵は見飽きないです。
右のページの月の絵は、ガリレオのスケッチを、シスがカラーで再現したもの。文字は大川修さんの手書きです。手書き、ですよ! フォントみたい。
扉の裏にある奥付のページの絵、これ、けっこう好きです。本がね、気球みたいになってる。
絵もきれいだけど、ガリレオの生涯はちゃんと描かれています。
「それでも地球は回っている」
知を扱う人間は、その知見を堂々と述べるべきだと改めて思います。ガリレオが教会から破門されたのは1633年。教会がガリレオを赦した(?)のは、なんと1992年。そう、つい30年前です。共産圏だったチェコスロバキアからアメリカに亡命した作者のピーター・シスは、きっと、権力と闘ったガリレオに共感を覚えていたはずです。
見かけましたら、ぜひ、ぱらぱらとページをめくってみてください。どうぞよろしく。
(M.H.)