翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

新刊絵本『あらしの島で』

 ブライアン・フロッカの文に、シドニー・スミスが絵をつけた絵本『あらしの島で』(偕成社)の見本がとどきました。7月26日くらいから書店にならぶそうです。

 が、その前に、昨日のエントリーでご紹介した、板橋区立美術館の売店で、すでに特別先行販売を行なっています。ぜひ、この機会にお求めください!

 

 偕成社さんのページでは、下のリンクから、少し中も見られます。

https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784034254202

 

 シドニー・スミスさんの様々な技巧を凝らした絵が満載。窓ガラスをたたく雨、乱れる雲、波、濡れた路面に映る信号や車のライト、青い海と空。一見、ダイナミックな筆使いですが、例のカメラレンズのような目で計算された絵が、ページをめくるたびに現われます。

 ブライアン・フロッカさんは、自分で絵も描いている絵本『月へ アポロ11号のはるかなる旅』『走れ‼︎ 機関車』などのドキュメンタリー絵本や、挿絵を担当している『ポピー ミミズクの森をぬけて』『おひめさまになったワニ』などが日本でも翻訳されていて、どちらかというと、画家・イラストレーターだと思いますが、今回はテキストだけを担当しています。シドニー・スミスさんの絵とは対極にあるようなおだやかなタッチの絵を描く方なので、なにか考えるところがあったのかもしれません。

 もとの英語のテキストは、絵本の語りというより詩のような文章で、すごく苦労しました。編集の広松健児さんとずいぶんやりとりした結果です。

 お楽しみいただければ幸いです。

 

 

 訳者サイン本を作ります。どうぞよろしく! どこで売ってくれるのかな……。

 

(M.H.)