最高の夜でした。
入場前の虹色の雲は、すでに吉兆。
ウォームアップ時の「PRIDE of URAWA」の大ゲート旗。
これぞ浦和サポという、6万人近いサポーターによるコレオグラフィー。北ゴール裏には2007の星、南には2017の星。みごとに10年ぶりのアジア王者です。
先制されると厳しい状況になったと思うし、アルヒラルはそれをわかっていたので、とくに後半は猛攻にさらされた。うちの家内は70分くらいからずっと泣いていたらしい……。87分のラファのゴールで埼スタは爆発。ゴール裏だけでなく、全員が総立ちで声を張り上げ、終了の笛を待った。
はっきり言って、アルヒラルは強かった。リーグ戦だったら抜群に強いだろう。一人一人の技術レベルが高く、パススピードや単純な走力も速い。でも、うちは守りきった。
初戦のアウェイからの手直しが奏功した。左宇賀神の先発メンバーを見た時は大丈夫かと思ったが、前からの全体のプレスによってその心配は払拭された。堀監督の采配はみごと。メンバーの入れ替えではなく、前からのプレスとラインの高さで、サイドを破られる原因を改善した。現象面として出た悪い点を、ひとつ前段階で修正してみせた。決勝だけでなく、今年のACLは、決勝トーナメントに入ってからは、みな2試合めがホームで、全勝だった。チームの修正力もさることながら、こうなると、やはり埼スタの力であることはまちがいない。
みんな良かったが、やはり長澤の活躍は今年のACLの一番の収穫。一気に代表にまで呼ばれた。これからが楽しみ。
クラブワールドカップは正直きびしいだろうが、逆に変な色気なく気持ち良くチャレンジできるんじゃないだろうか。今年から日本開催じゃないのが残念だが……。
試合終了直後の阿部ちゃんの後ろ姿。
ほかの選手はベンチに一直線だったが、阿部だけは、いつものように一番近いスタンドのサポにむかって両手を突き上げ、涙していた。10年前の優勝経験者は阿部と平川だけだった。これでまた、次につながる。
浦和の試合を見始めて20年になる。1997年の秋に初めて駒場の緑の芝を見た時から、サポーターじゃないと味わえない瞬間をたくさん味わってきた。いい時ばかりじゃないし、なにバカなことをやってるんだろうと思うことも多い。けどね、やめられないんだよね、昨日みたいな試合を見ちゃうと……。
昨日は息子にも会えたし、6年、7年ぶりだろうか、サポ仲間にもまた会えた。
最高の夜でした。
(M.H.)