カチャ・ベーレン作品紹介、第2弾。
『ブラックバードの歌』は千葉茂樹さん訳、あすなろ書房から、昨年の10月に出ています。
原題は "Birdsong" 、リチャード・ジョンソンの挿絵が入っています。日本語版は、千葉さんの訳に、鈴木まもるさんの挿絵。100ページちょっとの短めのお話ですが、とてもいい造りの本です。鈴木まもるさん、数々の絵本を手がけていますし、鳥の観察もしている方なのでぴったりですね。鈴木さんのHPは鳥のことでいっぱいです。
https://mamorusuzuki.wixsite.com/nestlabo
表紙はこんな感じ。
お話は、「フルートを生きがいにしていたアニーは、事故にあい、手をけがしてしまった。リハビリをすれば、元通りフルートもふけるはずと医者にはいわれているが、なかなかそんな気にもなれず、つらい毎日。そんな中、引っ越し先で、秘密の世界を見つけて……」(カバー袖より)というもの。アニーは、ある男の子、そしてクロウタドリ(ブラックバード)との出会いを通して、また前をむきます。
原書はクリーム色の紙を使っていて、こんな感じ。ちょっとうまく写真では再現できていませんが、実際にはもっと黄色っぽい。
版元の Barrington Stoke という出版社はスコットランドのエジンバラにあって、難読症の子どものための本を出している会社です。この紙の色はそういう配慮のもとに選ばれているそうです。フォントも同じく。線が太くて、はっきり見えます。ユニバーサル・フォントというやつですね。
https://collins.co.uk/collections/barrington-stoke
こういう版元から本を出すにあたっては、おそらく、ベーレンさん自身の意向があったはず。
日本語版はユニバーサルフォントではないようですが、大きめの活字とゆったりとした版組で、読みやすいページ作りがされています。小学校三、四年生くらいから読めるかな。
ぜひ!
(M.H.)