翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

調べものはおもしろい(2)

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 11月にも記事にしましたが、その時と同じ作品のための調べもの、第2弾。

 

  舞台は1959年のメンフィス。

 

 右上は、プレスリーが若いころに住んでいたローダーデール・コートという低所得者用の住宅。

 作品にプレスリーは出てこないけれど、「ハートブレーク・ホテル」がヒットチャート一位になったのが1956年。プレスリーは1953年までここに住んでいたそうです。ということは、主人公の少年はそういうことを知っている可能性が高い。作品中には通りの名前でローダーデールという言葉が出てくるので、調べていたらプレスリーが出てきました。場所はちょっとちがうみたいですが。

 

 左上はコカコーラの赤い木箱。

 夕方、暑いので通りに出ている人たちが、コカコーラの赤い木箱をひっくりかえしてすわっています。「コカコーラの赤い箱」っていうと、なんとなくプラスチックのビールケースが思い浮かんで、待てよ、まだプラスチックのあんなケースはないはずだよな、と気づき、調べてみたらこういう写真が出てきました。最近、見なくなりましたが、昔はびんってこんなふうに浅い木箱に入れてましたよね。なつかしい。

 

 下はビスケットとソーセージグレービー。

 知らなかったんですが、アメリカではビスケットというと、イギリスでいうスコーンみたいなものらしいです。南部では、朝、焼きたてのビスケットを、このシチューのように見えるソーセージグレービーと一緒に食べるのが定番らしい。グレービーにはソーセージを細かく切ったものが入っているそうです。

 ケンタのメニューに「ビスケット」があるのを知りませんでした。今度食べてみよう。

 

 やっぱり、調べものはおもしろい。

(M.H.)