翻訳家で児童文学研究者でもあるさくまゆみこさんが、ご自身のブログに、拙訳『エベレスト・ファイル シェルパたちの山』を課題にした読書会の記録を掲載してくださいました。それを読んでのわたしなりの意見をさくまさんにメールで送ったところ、同じ記事内にそのメールの文章をそのまま掲載していただけましたので、ご興味のある方は、こちらを読んでいただければ、と思います。
【 『エベレスト・ファイル:シェルパたちの山』: バオバブのブログ 】
「子どもの本で言いたい放題」というタイトルのついた読書会で、さくまさんがもう何年も前から主催されていて、記録の大半が、さくまさんの「バオバブのブログ」上で読めます。以前から楽しく拝読していました。
バオバブのブログ (新)
子どもの本で言いたい放題・目次 (旧)
けっこう辛口の記事が多くて、課題本に自分の訳本がとりあげられると緊張して読んでいました。ただ、本というのは、出版されてしまえば読者が好きに読むものなので、なにを言われてもしかたがないし、アマゾンや読書メーターなどの書評も、えーっ、ちがうだろう、と思っても、そう読む人もいるんだからしかたないと思っています。
今回の記事についても、うーん、そう受け取るのか、というのはわかるのですが、わたしの理解と食い違うところがあまりにたくさんあったので、原作者の意識なども含めて、訳者なりに理解していることをお知らせしたしだいです。さくまさんは、すぐにお返事をくださり、また、わたしのメールを読書会の記事のあとに掲載してくださいました。さくまさん、ありがとうございます。
もう一度言いますが、本は出版されてしまえば読者のもので、なにを言われようとしかたがないと思っていますし、自分の翻訳した本にはみな、長所もあれば短所もあると思っています。文学には絶対的な評価はありませんから。ただ、それについてオープンに意見を交わす姿勢があればいいわけで、読書会の意義はそこにありますし、今回のさくまさんのご対応は、そういう意味でもうれしいことでした。
翻訳という仕事は、原書を読んでいる時、翻訳している時、そして、こうして本になったあとも楽しめる仕事なのだと、改めて感じました。
そういえば、明日は「はじめての海外文学」のイベントがあります。わたしの推薦本は、まさに、この『エベレスト・ファイル』なので、3分間でアピールしてきます。すでにイベントのチケットは完売していますが、あとでネットで動画が公開されるそうです。
【 第21回ミニイベント「はじめての海外文学スペシャル」: 翻訳百景 】
ん? ということは、とちるとそのまま動画に残るということか……。
(M.H.)
訂正:さくまさんのブログの中のわたしのメールで、「バタフライ現象」とあるのは、「バタフライ効果」の誤りでした。