先日、『BOOKMARK 06』をもらいにいった「あゆみBOOKS小石川」店で買いました。『読書について』(ショーペンハウアー著、鈴木芳子訳、光文社古典新訳文庫)です。
店を入ったところの平台に積み上がっていました。BOOKMARKもらうだけじゃ、と思っていたところに、薄くて読めそうだと思ったので(やっぱりここは大切なのかも……)買いました。あとで気付いたのですが、帯に「あゆみBOOKS小石川店文庫売り上げNo.1」とあります。それほど広くない店なのに、大量に積み上げてあったので、すごい推してるなあ、とは思ったのですが、帯にこんなふうに入ってるのは何故なんだろう? 店ごとに帯がちがうんだろうか?
帯の裏を見ると、この店の店員さんのポップの刺激的な言葉が……。
どういう仕掛けか知りませんが、出版社と書店がからんだ戦略で、いいですね、こういうの。光文社古典新訳は異論もある方もいるのかもしれませんが、意欲的に新訳を出し続けていることは評価すべきでしょう。ついに、ナルニアまで刊行が始まりましたからね。なかなか児童書の版元では、軽々に手を出せないところだったと思います。
さて、肝心の中身もなかなか刺激的。哲学はまったくの門外漢ですが、一般の読者むけのところをぬきだしているのと、新訳にキレがあるのとで、とても1800年代に書かれた本とは思えないインパクトがあります。
最初の章、「自分の頭で考える」には、やたらに本を読むな、自分の頭で考えろ、と書いてあります。常々、読書量の少ない自分はそのことを恥じているわけですが、冒頭で、「どんなにたくさんあっても整理されていない蔵書より、ほどよい冊数で、きちんと整理されている蔵書のほうが、ずっと役に立つ。」とあって、ふむふむ、と思いました。「きちんと整理されて」いないくせに、蔵書は少なくてもいいんだ、と言ってもらったような気がしたからです。
「本を読むとは、自分の頭ではなく、他人の頭で考えることだ。……良識や正しい判断、場をわきまえた実際的行動の点で、学のない多くの人のほうがすぐれている。……わずかな読書によって外から得たささやかな知識を、自分の考えの支配下において吸収する。」ふむふむ。
えーっと、読書量の少なさの言い訳を探しているような感じになりましたが、要するに、考えろ、ということです。まだ、途中ですが、おもしろい。
(M.H.)