ケイト・グリーナウェイ賞の最終候補に残った8作品の中の一冊、"Child of St Kilda" 。ただ今、翻訳中です。
原作者 Beth Waters さんの初めての作品ですが、グリーナウェイのショートリストに残りました。グリーナウェイ賞はロングリストがたしか50作品くらいあって、そこからショートリスト、そして発表となるので、この数ヶ月、楽しませてもらいました。もしかして、処女作でとっちゃうんじゃないかと期待もしましたが、ショーン・タンの作品もあり、さすがにそこまでは行きませんでしたが、それでも大健闘。
スコットランドの西海上にある小さな群島、セント・キルダの最後の住人たちの暮らしと、今の島の様子(世界遺産)を描いた大判の絵本です。なんといっても絵がすばらしい。いつも原書はジャケ買いですが、これはとくに、表紙だけでも欲しいと思った一冊。自分がいいと思った本がみんなに評価されるとうれしいですね。もっとも、評価されない時は、なんで世の中の人はこの本の良さがわからないんだ、と叫ぶだけで、別に自分の目を疑ったりはしないのですが。
モノプリントという、アクリル板に絵の具をおいて刷っていく版画の一種ですが、一枚しかできない技法で作られた原画です。色の重なりがおもしろく、微妙なずれやかすれ、絵の具をふきとったあとなどが素朴な感じになります。Waters さんのホームページではもう少し中身が見られます。【 Beth Waters - Home 】
夏明けに出せると思います。しばらくお待ちを。
じつは、以前もここで紹介した、昨年のカーネギー賞受賞作マコックランの『世界のはての少年』が、このセント・キルダを描いた作品で、そこからいもづる式に(というか、アマゾンの連想表示みたいな機能に誘い込まれて)買った本でした。
セント・キルダ諸島は、美しい島ですが、暮らすにはとても厳しい条件の島で、独特の文化が発達したところです。住民のタンパク源はこの海鳥たちでした。
どうぞお楽しみに。
(M.H.)